コーティング不要部のマスキングについて

マスキングする箇所

マスキングとは

PVDコーティングで成膜してはいけない箇所は、
マスキングして炉内にセッティングする必要があります。
理由は工具、金型のセッティングする面の滑り防止や精度の理由からです。
野球のバットは握る部分は、滑らない様に塗装しませんよね。
それと同様です。

また、コーティング施工時に商品を回転テーブルに設置する治具保持部が必要です。
回転軸にネジやSUS針金で保持する場合もあり、その部分は未成膜部になります。

パイプの治具

下部画像の球状形状に穴の開いた部品では、棒に立ててコーティング行います。
穴は未成膜、周辺部は膜厚が薄くなります。

球状形状に穴の開いた部品では、棒に立ててコーティング行います

マスキングのやり方

マスキング作業は手作業で行うこともあります。
洗浄済みの商品を扱うため、手袋をして行い熟練を要します。

DLC系はアルミ箔セラミック系はSUS箔で巻いて行います。
これは処理温度の差によるものです。
接着剤・塗料・粘着テープは、真空加温環境下で、ガス化して汚染事故になるため使用不可です。

繰り返し受注のある商品は専用治具を作成する場合もあります。
真空中でプラズマ領域内の加熱に耐える必要があり、シンプルで治具体積が小さいことが要求されます。

コーティングの部分を少なくするとコストダウンできないか?との質問がありますが、
手間や治具代が増えますので、コストアップになります。

当社としては、保持に使用できるタップ穴があり、マスキング不要。
またはマスキング部が単純形状で、それ以外は成膜OKがありがたいです。


このブログの編集者

株式会社オンワード技研
株式会社オンワード技研

1986年創業、DLC・セラミックコーティング・表面処理のプロ集団。
「EVER ONWARD=常に前進する。」をモットーに、コーティング専業メーカーとして全国のお客様の「ものづくり」を支えています。

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Posted by ONW