コーティングで母材が強化される?
コーティングで母材が強化される?
こういう質問を受けることがあります。
その様な理解のお客様がいらっしゃいます。
しかし、PVDコーティング膜は、表面にのっているだけで、
母材に浸透、拡散していません。
母材全体の強度に影響が出るとは考えにくいです。
コーティングしたら、刃先が欠けた(チッピング発生した)
逆に、「コーティングしたら、刃先が欠けた(チッピング発生した)。」という問い合わせがあります。
この中に、「刃先の膜が応力の集中でチッピングした」と思われる場合があります。
この現象は、角部の界面(膜と母材の接触面)に膜応力が集中して、膜の自己破壊が発生したものです。
界面側の膜は縮もうとする力が発生しており(圧縮応力)、
この反作用で母材表面は延びようとする力が掛かる(引っ張り応力)。
2方向に成膜する金型や刃物の角(エッジ)部は、より強い力が集中し、
膨らむ様に自己破壊します。
これが微小な膜のチッピング(カケ)の発生の原因と思われます。
結果的に、2方向の膜は分断され安定します。
改善方法
改善方法としては、膜厚を薄くする、刃先にRを付けるなどです。
コーティング導入で発生する問題を、母材と膜のトータルで最適化することで、
安定した性能が発揮できます。
お問い合わせお待ちしております。
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