「膜厚」シンプルな言葉だけど・・

膜厚=膜の厚さ・・となります。
まず、どんな方法で測るというところから書きたいと思います。

 

まず、当社では量産加工品の膜質確認用に
10㎜*10㎜*5㎜(高さ)の鏡面超硬テストピースを、毎バッチコーティングしています。
このテストピースにて、カロテストという測定方法で行います。
詳細は、成膜されたテストピース表面をボールで回転研磨しながら成膜部にクレーターを作り、
基材と膜の2重丸になった研磨痕を顕微鏡で観察・測定して、膜厚が算出されます。

 

適正膜厚値は膜種によって異なります。(硬い膜は薄い~軟らかい膜は厚い傾向)
お客様から、コーティング依頼した製品にどれだけ膜厚がついたか?というお問い合わせには
上記の自社テストピースでの測定値を、参考値としてご連絡することになります。

 

お客様が、マイクロメーターで製品のコーティング前後の寸法差で膜厚を判断する場合がありますが、
当社では製品の膜厚測定は、傷をつけることになるため行いません。

 

PVDコーティングでは製品の大きさや形状により、イオンの集中度合が変わり膜厚に影響します。
またコーティングでの加温で、鉄系の材料が数μmレベルで寸法変わる可能性もありますので、
前後の寸法差=膜厚とならない場合もあります。

 

あくまで、当社管理用テストピース上での膜厚が何μmという話になります。


このブログの編集者

株式会社オンワード技研
株式会社オンワード技研

1986年創業、DLC・セラミックコーティング・表面処理のプロ集団。
「EVER ONWARD=常に前進する。」をモットーに、コーティング専業メーカーとして全国のお客様の「ものづくり」を支えています。

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Posted by ONW