摩擦係数の話
今回より、膜の説明に使われる用語をとりあげていきたいと思います。
摩擦係数とは
第一回は、当社のカタログにも記述している「摩擦係数」です。
物どうしが接触して動くときの、滑りやすさを係数で表現しています。
例えば、アイススケートのブレード(鉄)と氷は、摩擦係数:約0.01です。
鉄と鉄で約0.5、鉄とアルミで約0.8です。
数字が小さいほど滑りやすいということになります。
摩擦係数の試験
オンワード技研の摩擦係数測定は、摩擦摩耗試験機を用います。
超硬の鏡面試験片(テストピース)に成膜、ボールを押し付けて回転しながら測定します。
セラミックス系膜の測定は、鋼材のSUJ2のボール、
DLC系膜の測定は、アルミ合金A5052のボールを使用します。
※測定上の注意は、試験片の接点にSUJ2やA5052が摩耗により付着し、同材質での摩擦状態となるため表面の確認が必要です。
摩擦係数は
セラミックス系:0.4~0.55、
DLC系:0.09~0.13となりました。
摩擦係数の留意点
実際の加工においては、加工環境、面圧、面粗さなどにより、摩擦熱や衝撃が発生します。
これにより、凝着、チッピング(カケ)、剥離、摩耗が複合的に起こりますので、摩擦係数の優位な膜が高評価になるとは限りません。
摩擦係数に関するご質問・お問い合わせがありましたらこちらまで
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません