リーマーにコーティングしたら加工穴径が小さくなった?

 

リーマーにコーティングしたら加工穴径が小さくなった?

お客様から
加工穴を大きくするために、工具にコーティングし、径を太らせたい
という依頼があります。

例えば、リーマーをコーティングして、加工穴寸法を大きくしたいという狙いです。

しかし、コーティング無しより、コーティング有りの加工穴寸法が小さくなることが起きました。
工具径は確かにプラスされています。

そこで、コーティング無し工具と、コーティング有り工具での加工穴を精密測定してみました。

→コーティング無しでは穴形状が、かなり歪んでいました。
内壁がガサガサした感じです。
工具に凝着した切削材、摩耗により穴内部にムシレや傷が発生したと思われます。

→コーティング有りでは、ムシレ等が軽減され、真円度が向上しました。
拡大代が少なくなったという訳ですね。

これが、工具にコーティングすると穴径が小さくなるという正体でした。

さらに、重ねて膜厚を厚くすると、刃先が丸くなり切れ味の低下が起きました。
膜厚も厚ければ良いというものではないということがわかりました。

トライしていただいたお客様に感謝です。

その後、タップにおいても同様な現象が起きたことがあります。

 

ということで、

当社には、膜厚の薄い仕様があります。

HCD TiN1μm狙い(弊社テストピース上膜厚)
Arc方式SmArc(スマーク)」シリーズ 0.5μm狙い(弊社テストピース上膜厚)
小径工具、リーマー、微細金型(細系パンチ等)に使われております。

他社にも同様の仕様がありますが、当社の膜バリエーションは多くのラインナップがあります。
DLCは、元々の標準が0.5~1μmです。
硬度の高い膜は、密着力・膜割れ(チッピング)の観点で、膜厚が薄い方が良いと思います。


このブログの編集者

株式会社オンワード技研
株式会社オンワード技研

1986年創業、DLC・セラミックコーティング・表面処理のプロ集団。
「EVER ONWARD=常に前進する。」をモットーに、コーティング専業メーカーとして全国のお客様の「ものづくり」を支えています。

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