ピンホール

ピンホール

「ピンホール」とは、膜に発生した小さな穴や凹みです。

写真は、超硬金型にDLC-EX成膜で発生したピンホール(赤丸部)です。
形状や大きさは様々です。

 

 

原因としては、

  1. 母材の腐食による膜剥離が発生したもの。
  2. コーティング炉内に浮遊する埃の付着によるもの。
  3. 当社の生産方法、バッチ方式で発生する膜の小片が付着したことによるもの。

が考えられます。

写真の事例は(1)(3)が混在していると思われます。

 

ピンホールの一因、バッチ方式

バッチ方式とは、炉内に「商品をセット」→「真空引き」→「加熱」→「コーティング」→「冷却」→「取り出し」を1つの炉で行う方式です。

長所は、多膜種の小ロット生産に向いております。
ほとんどの受託コーティングメーカーが、この方式です。(他にはロードロック方式があります)

短所は、炉内成膜エリア外に付着した密着の弱い膜が、加熱~冷却の温度変化により小片に割れ、炉内外周辺に浮遊します。
これがピンホールの一因となります。

膜種・膜厚で差がありますが、100μm大のピンホール発生する可能性があります。

弊社では、

  • 炉周辺を減圧し空気清浄機でクリーン度を上げる
  • 炉内の清掃を毎バッチ行う
  • 定期メンテナンス

を行っておりますが、これらを完全に除去することは困難です。

商品の成膜ポイント部の大きさ、形状、要求基準の打ち合わせの上、洗浄後の表面チェック炉内設置方向に工夫しております。


このブログの編集者

株式会社オンワード技研
株式会社オンワード技研

1986年創業、DLC・セラミックコーティング・表面処理のプロ集団。
「EVER ONWARD=常に前進する。」をモットーに、コーティング専業メーカーとして全国のお客様の「ものづくり」を支えています。

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