ピンホール
ピンホール
「ピンホール」とは、膜に発生した小さな穴や凹みです。
写真は、超硬金型にDLC-EX成膜で発生したピンホール(赤丸部)です。
形状や大きさは様々です。
原因としては、
- 母材の腐食による膜剥離が発生したもの。
- コーティング炉内に浮遊する埃の付着によるもの。
- 当社の生産方法、バッチ方式で発生する膜の小片が付着したことによるもの。
が考えられます。
写真の事例は(1)(3)が混在していると思われます。
ピンホールの一因、バッチ方式
バッチ方式とは、炉内に「商品をセット」→「真空引き」→「加熱」→「コーティング」→「冷却」→「取り出し」を1つの炉で行う方式です。
長所は、多膜種の小ロット生産に向いております。
ほとんどの受託コーティングメーカーが、この方式です。(他にはロードロック方式があります)
短所は、炉内成膜エリア外に付着した密着の弱い膜が、加熱~冷却の温度変化により小片に割れ、炉内外周辺に浮遊します。
これがピンホールの一因となります。
膜種・膜厚で差がありますが、100μm大のピンホール発生する可能性があります。
弊社では、
- 炉周辺を減圧し空気清浄機でクリーン度を上げる
- 炉内の清掃を毎バッチ行う
- 定期メンテナンス
を行っておりますが、これらを完全に除去することは困難です。
商品の成膜ポイント部の大きさ、形状、要求基準の打ち合わせの上、洗浄後の表面チェックや炉内設置方向に工夫しております。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません